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4、ものかげ。

自分が知らないのは、知らないのである。見えないものは、見えないのである。これが現実であり事実なのである。そうであるにもかかわらず、知らないものを知ろうとし、見えないものを見ようとしているのである。

それは、見えなくても、見えていなくてはならないものであって、見ようともし、気づいてもいなければならないものなのである。たとえ、それが見えなくても、そうなのである。

それは、たとえ見えていなくても見えなければならず、知らなければならず、気づいてもいなければならないものなのである。それは自分にとってどうしても必要で、なくてはならない、自分自身の証明なのである。

それは、自分自身の理由や意味といったものなのである。だからそれは、自分にとってどうしても必要なことであって、そしてまた、あるはずで、あらねばならないものなのである。

だから、見えないにもかかわらず見ようともするし、無いにもかかわらず、探し続けるしかないものなのである。だからまた、いつもどこかで自分を見ていて、そして探し続けているのである。そしてまた、だれもいないのに人の気配を感じたりもするし、暗闇の奥の物かげが、だれかのもの悲しい人の陰(かげ)のように見えて来たりもするのである。



戻る。                     続く。

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