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あるいは、見える風景の模様や、その輪郭や陰の中に自分でも気づかないまま、なにか別のものを連想していて、それが現実にはない何か別のものを象徴し暗示するものとして、いつまでも心のなかに残り続けたりするのである。 そしてそれが何かのひょうしにふっと記憶の表面に、とまどいながらワケも分からず浮かび上がってきたりするのである。つまり、自分でも気づかないまま、なにかを探し求め続けているのである。それが何のか知らないまま誘われ、導かれ、そしてそれへと向かい、それを指向しながら歩き続けているのである。 そうした、すでにあらかじめ定めら方向づけられている、のがれようのないレールの上を歩いている自分を感じてしまうのである。そうした避けることも逃げることもできない、しばりつけられ金縛りになっている自分を意識するのである。そしてその背後から、そうした自分を見つめ続けるもう一人の自分を強く感じて意識するのである。 やはり、自分は自分にとって他人でしかなかったのか。まさにその通りなのであって、そうした自分の中に住む、現実の自分とは違うもう一人の自分、常に自分を背後から見つめ続けている他人のような自分を、見えない現実の世界に見ていたのである。見える現実の世界から、見えない現実のもう一つの別の世界、別の自分というのを見ているのである。 |
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