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本来、夢のなかでは、始めそれが空想的な幻のように見えていたものが、少しづつ後になって、踏みつぶされた肉のカケラとして映し出され浮かび上がってくる。 そうした、思い込みの観念に過ぎなかったものが、変形と修正をくり返しながら現実の出来事のように現れてくるのである。まるで、予測能力でもあるかのように。暗示され、あるいは導かれ吸い込まれて行くように。 ぼくは何かに追い立てられているのだろうか? せっぱ詰まってぼくの精神はどこへも行き場を失くして病んでいるとでも言うのだろうか。なぜ、切り取られたようなえぐい肉のカケラなのか? それは僕自身が単に視覚としてだけでなく心証としても、触れる感じやニオイとしても、あるいは状況の雰囲気や、ぼく自身の精神のもどかしさ、悩ましさから、それを感じとっていたのである。それは僕自身の感覚や意識などではなくて、僕自身の精神自体がそうだったのである。 あるいは僕自身の中にもともとあった引き裂かれた精神が、それも露骨で凄惨な残虐性といったものが、こうした夢の中の物語りや出来事として現れ出てきているのである。 まるで「予測能力」のように。それを示唆し暗示するように。やはりそうだったのかとか、そうなのだ、そうであるはずで、そうでなければならない、などと思い込もうとしているのである。 |
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