続、夢が映しだすもの。３、初期化。

３、初期化。

理由などはどうでもよかったのである。ぼくは出来るだけこうした情景から逃げ出したかったのである。このような心の中のわだかまり、憂鬱でわずらわしく、うっとうしい気分から早く逃げ出したかったのである。だからそれが、夢というカタチで現れ出てきたのである。

心の奥底でフタをして隠していたものが、夢というカタチでよみがえってきているのである。思いだしたくて夢に出てきているのではない。忘れたいし、逃げたい、避けたいと願ったからこそ、それが反対に気になって浮かび上がってきているのである

それは、いわばケジメだったのである。嫌なことに区切りをつけて、きれいさっぱりあっさりと忘れて、そうして、なにもかも元通りにして初期化しようとしているのである。普段の普通の日常に戻ろうとしているのである。わずらわしいこととは、これでサヨナラしようとしているのである。

戻る。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　続く。

index＜　日誌　＜　v夢の中＜　20-59続、夢が映しだすもの。