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3、たましい。

現実とのかかわりといったものが限りなく失われていって、そしてその現実から切断された微かなぼやけた記憶だけがのこっていて、それが何かの暗示や象徴として浮かんできているのである。

そして、その意味すらも薄れて行って、何かへといざない暗示する目印しや標識としてだけ作用しているのである。それへと暗示する遺物やその痕跡として感じられてくるのは、このためなのである。自分自身の中の失われた記憶をたどっていて、そしてその痕跡を見ているのである。

出来事の前後の脈絡や因果関係、そしてその周りとの整合性といったものが限りなく薄れていって、破壊され、切断され、現実とのつながりといったものが無くなって、そして、それらを一切無視した自分自身の中の直接的な直感や、現実の感覚を無視した感覚の感覚だけで世界を感じ取っているのである。



戻る。                       続く。

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