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2、要請。

人間の身体のカタチや構造、そしてそれを動かしている生理的・物理的な慣(な)れやクセといったもの。そうしたことが同じ仕草や動作に直接に影響している。人間は、自分にあるもの、自分に備わっているものをもって、自分を表現するしかないのである。

違うというのは、このことなのである。つまり、自分にしかないものをもって自分を表現しようとするので、その表現されるものが、どうしても個性的にならざるを得ないのである。つまり、どこか違うのである。

従ってまた、自分の生存と、あるいは社会が求める様々な習俗や習性、そしてこまかな立ち居と振る舞いの作法、身振りや素振りに多少とも個性的な違いといったものが現れてくる。つまり、他の言い方をすると、同じ身振りでも得手不得手、上手下手といったものが現れてくる、ということである。

従って、そこで生きている本人は、どうしても自分に合ったやり方を見つけ、それを伸ばしてゆくことになる。それをより完成させ、自分に合った自分がやりやすいやり方でもって自分を完成してゆくことになる。これが本人にとってもっとも都合の良い生き方であり、また、周りの社会の要請にも応えるものとなるのである。



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