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3、条件。

こうしたことは、湿潤と乾燥との間でも起こっている。あるいはまた、高地と低地での気圧の差、すなわち、酸素の密度の違いによってもひき起こされている。ということは何も、自身の身体内部の自律神経中枢だけが、このような肉体の状態を作り出しているのではない、ということである。

人間は自分の肉体の外の自然環境によっても、その生理と身体の動きといったものが支配され、条件付けられているのである。このように人間は、それと意識することなしに、自分の周りの自然環境によって限界づけらていて、そして規定されてもいるのである。

その生き方や、感覚器官の役割、そしてその作用の仕方や、働きや仕組み、さらにその感覚の感じ方や、その範囲と深さにおいてそうだということである。しかしまた、このような現実の条件のないところに、人間は存在しないのである。人間としての感覚も感じ方も営みも存在しないのである。これが人間が生きている現実の世界なのである。


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