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8、笑い。

     
体の中の集中と緊張が空中分解して、自分の外に向かって一気に溢れ出ている。
瞬間的に、精神も身体も外に向かって開いている。

何かしらの事情から、一時的な緊張の状態から一気に緊張がゆるみ、そしてその安堵と開放感から笑みが生まれる。あるいは、そうした誤解が取り越し苦労に過ぎなかったと分かると、一気に笑いがあふれ出す。

緊張し研ぎ澄まされた気分が一気に空中分解して、バラバラになって開放され噴出する。そうした呼吸の急激な乱れが横隔膜の痙攣を惹き起こしている。「腹を抱えて笑う」というのはこのことなのである。呼吸困難でむせたり、目に涙がたまるのはこのためである。血流も非常に乱れて、それが一気に周囲に向かって飽和していって、そして沈静化してゆく。

だからまた、この開放するということが、身体をのけぞり、身体の中の何もかもを外に向けて押し拡げて開放している。身体の中の生理と神経の作用を急激に飽和し、鎮静化しようとしているのである。

お腹は前に出て来て、両手を上げて思いっきり広げて見せたり、あるいは、のけぞりながら上向き加減に、腹を抱えて笑うのである。そうして緊張した神経と筋肉の集中を分解・分散し一気に開放しているのである。


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