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8、鏡(かがみ)の反射。


このような繊細でデリケートな表情筋の動きが、顔の表面で本人の感情をあらわに表現しているのである。それだけでほとんどすべての事が知られてくるし、また、理解もされるし、理解し得たと思えてくるのである。そしてまたそれ以外に、理解のしようがないのである。

人間の感情が表に現れる場所というのが、顔表面以外にほとんどないからである。またそうして私たち人間は、相手の心情を理解すると共に、また、自分自身の心情や気持ちといったものに、気づきもするし知られてもくるのである。

自分に対する相手の表情でもって、自分がどう思われているのか分かってくるし、そしてまた、その時の自分の表情というものが、自分自身の中の自分に対する感情でもって理解されているのである。

そして、こうしたことが自分であると信じられているのである。信じるしかないし、信じなければならないものと思われているのである。他に自分を確かめる方法がないのである。自分は自分の中で見つけるしかないのである。そうである以上、それは信じなければならないものなのである。自分が自分であり続けようとする限り、そうするしかないのである。


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