| index＜ 日誌 ＜ y肉体 ＜ 20-08「指向性」p8- |
| それは必然性でもあって、原理なのである。自分ではどうにもならない外からの強制力なのである。そしてこれを外から見ると、それは個人の意志や努力とは直接の関係がないことなのである。 それは自分にして見れば、自分でもどうにもならない客観的な現実という、自分の外の世界の、全体としてのバランスが決定していることなのである。生存競争でいう適者生存とはこのことなのであって、それは本人の意志や願望とは別のものなのである。 それは、個人の主観とは区別されるという意味での客観性であって、そしてこの客観性こそが自分にとっての現実なのであり、自分にとっての現実となり得るものなのである。そして、ここで自分と他人が区別されているのである。 それは現実を生きる当事者にして見れば、どこまで行っても、あくまでも偶然の連鎖に過ぎないのである。しかしまた、このような偶然の連鎖の、無限の広がりと積み重ねといったものが、その「営み」の結果として個人の運命を決定しているのである。 |