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すなわち、どこかで抽象化しているのである。比較や類型化、あるいはそれ以前の暗示や示唆、比喩、あるいはまた、コトバにならないそれ以前の本能的な直感や衝動として感じられているのである。 指向性とは、目指すもの・願うもの・求めるもののことであって、そうした意味おいて人間は同じであって、これは、人間というのが同一の「種」であるということから仕方のないことなのである。 そしてここで、主観と客観、そして普遍性との一致が見られるのである。個人的な偶然の出来事に過ぎなかったものが、客観的で普遍的な意味を持つものとして意識され、理解もされてくる。そうしたことが起こるのである。 たとえば、私たちが歴史というのを、民族や国民の時間的な移り変わりとして見ている、ということ自体が、それら時間的な変遷の隠れた奥底に、何か通じ合う共通のものを見ているのである。また、そうした意味で、私たちにとっての民族や国民といったものが、同じものであり続けるのである。 |