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5、集まるところ。


たとえそれが現実に無いものであっても、やはりそうなのである。目が向かう視線の先と、それを見る顔の表情にそれが現れている。たとえば、ボンヤリした虚(うつ)ろな表情といったものがそうである。視線は定まることがなく、現実に無いものを見ようとしている。しかしそれでも、表情といったものは、やはり両眼の周りを中心にして、そこから顔全体へと拡がっているのである。

要は、顔の表面全体をバラバラに見れば、その表情は非常に分かりづらいということなのである。しかし、その際の中心となり、表情といったものを全体として規制し、決定している、目の色とそのカタチを中心に、そこから顔の表情を全体としてながめて見ると、ある程度のことが分かって来るということなのである。

実際に、だれもが無意識の内にそうした態度を取るし、また、そうする以外に相手のことを知る方法がないのである。もちろん、そんなことで何もかも分かるはずがないのであるが、しかしそれでも人間の目というのが、それをもっともよく表しているし、そのように出来ているということなのである。


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