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だからまた、それは、不明な相手に対してというよりも、自分自身に対して驚いている、というのが正解なのである。自分自身のなかにある底なしの、得体の知れない部分に対して驚いているのである。「おどろき」をもたらした外の刺激は、そのきっかけに過ぎないのである。 事実、相手も、またその対象も無いのに驚くことがあるが、それは、このような自分自身の中にある、未知の部分に対して驚いているのである。このような意味でも、この「おどろき」という感情は、他のいかなる感情とも、その趣きと言うのが著しく異なるのである。 結論から言うと、それは、感情を呼び起こしている、自分自身の情緒のところで、この情緒というのが瞬間的に切断され、分断され、途切れているということなのである。だからまた、そうしたところでは、他のいかなる感情も持ち得ないし、また、感情そのものとも少し異なる精神状態だということである。 |
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