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それは、無意識の観念の世界のなかで、自己と他者とが区別されなくなって、一体となった状態である。感覚は、意識に対してだけでなく、自分の外の刺激に対しても忠実に機能し営まれている。そうして、意識と外の刺激との間の境界が無くなっている。 感覚が感覚に対して感覚を営んでいる。感覚はそれ自体で自律し、自己目的化している。しかしまた、その意味では非常に正直なのであって、そしてまた正常なのである。 この場合、感覚は意識から逸脱して、自律神経の中だけで営まれている。相手の存在しない、自律神経の中だけの世界である。自分だけの気まぐれと思いつき、思いのままの自由と、偶然だけが支配する世界である。 そうした自分を制約し規制するものが何もない世界である。なぜならそれは、外の世界から切り離された、自分だけの孤独な世界だからである。しかしまた、だからこそ自分に対して正直になれるのであって、またそうやって感覚は、自分で自分を確かめているのである。それは、感覚が感覚自身のすがたを見ているのである。「夢を見る」というのは、このような状態なのである。 |
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