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| そうやって、自分で自分を見ているのであって、自分が自分に納得し、自分で自分を知り、自分を保存し、自分が自分であり続けるのである。そうやって自分を確かめ、理解し、自分の理由と意味といったものを握りしめている、と思い込んでいる。 しかし、それがウソかホントかというのは、誰にも分らないし、知りようもないことなのである。しかしまた、何よりも大事なことは、人間はそうやってしか、自分を知ることが出来ないということなのである。そして精神は、自分の目に見えるすがたといったものが、どうしても必要なのである。カタチのない精神といったものは、現実には存在しないのである。 たとえ、頭の中だけのイメージに過ぎないものであっても、あるいは、その場限りの一過性の幻ようなものであっても、あるいはまた、身体の中の神経や生理の反射作用の、複合的で錯綜した、瞬間的な現れては消えてゆく情緒の、偶然の錯覚に過ぎないものであったとしても、やはりそうなのである。まさしく、それこそが自分自身のカタチなのであって、また、カタチになり得るのであって、そしてそうしたカタチを必要としているのである。 |
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