――イメージをカタチに(・Image)――
index(索引)<concept(概念)<日誌<2010-0210-5 市
<真冬の妄想>、D無機質な空。
晴れた日の、厳冬の早朝に見るような、
視界全体に広がる微細なコントラスト全体を、
写真の世界では、
「粒子が荒い」とか、「硬(カタ)い」写真と言っている。
つまり。滑(ナメ)らかさや艶(ツヤ)といったものが無く、
柔(ヤワ)らかい感じがしないのである。
反対に、カタさが緩んできて、
柔らかくなったのが「春」の特徴であり、
そして、潤いが増してきて、
湿っぽく、ナメらかになるのが、
春から夏にかけての特徴ではないだろうか。
冬の風景の硬(カタ)い冷たい感じは、
何か象徴的だ。
何かがいっぱい詰まっていて、それなのに、
表面はトゲトゲしく、
外部との交渉をいっさい絶っている。
生命活動が停止した無機質の世界だ。
人間の肌もカサカサ乾いてきて、
何をするにも億劫(オックウ)になり、やる気が失せて、
なるべく動かないようになる。
冬も後半を過ぎると、
キラキラ光っていいた氷が溶け出して、
風景全体が緩んでくる。
気温の上昇と共に、風景も人も開放的になっていく。
柔らかな陽射しと豊かな水は、生命の源となる。
冬に萎縮していた生命活動が、いっせいに再開される。
これが風景となり、人の営みとなって、
柔らかい、なめらかな風景を映しだす。
戻る。 続く。
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