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index(索引)<concept(概念)<日誌<2010-0822-2 市
真夏の夜の妄想
A 神々の世界。
日本列島の大部分は山である。
残りの狭い平野の一部に、
人々がひしめきあって暮らしている。
そして、それを海が 囲んでいる。
山々に囲まれた下の平野から、
あるいは、背中を海に向けて、
我々は、山を見上げている。
湿気の多い日本列島では、
朝夕の気温の変化、
あるいは、起伏の激しい複雑な地形の関係から、
霧がかかったり晴れたり、霞がかったり。
遠くの山々が現れたり消えたりする。
こうした風景は、
常に何かを迫る不思議な印象を与えている。
また、例えば、
見えなくても、直接肌に感じることがある。
季節による湿度の変化が、
単に熱いというのを蒸し暑くし、
あるいは寒いというのを底冷えするものにもする。
それらが、現れたり消えたりする風景と共に、
人に迫(せま)る。
何かの前兆、あるいは予感として。
何かを、暗示し催促するように。
本来、我々の祖先は、
こうした、神々の世界を生きて来たのである。
戻る。 続く。
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