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「ほほ笑み」、D
< 感情 >
以上は、日本列島とそこに暮らす人々を、
制約し方向付けて来た自然条件、
地理的・文化的前提であるが、
そのような制約は、感情生活にもよく現れている。
執拗を忌み、何か事に際して、
過去の経緯や恨みを、綺麗さっぱりアッサリ忘れる。
外から見ていると、
そのあまりの手際良さには、唖然とさせられる。
明治維新と終戦直後がそうだった。
並外れて、潔(いさぎよ)いのである。
日本の「ほほ笑み」は、そうしたいさぎよさ。
いいかえると、あきらめて、はにかんだ状態。
それでもひたむきに生きる、やるせなさ。
つらさや苦しみを、人知れず抑えようとするありさま。
そうした感情が、見る者をして、
「ほほ笑み」のように見えるのではないだろうか
戻る。 続く。
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