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index(索引)concept(概念)日誌2011-1005-3-1  市



春のデッサン、 B−1 <やわらかな色>




やわらかな色。それは、春の色だ。
生まれたばかりの、
この世に生まれでた生命が、初めて見る世界の色だ。
柔らかく、ふっくらとふくらんで来て、
そうして開いている、そんな色。

明るいが、眩(まぶ)しい程の明るさではない。
もっと、おだやかで優しく、やわらかな光である。
色の鮮やかさも、
コントラストの強いそんな鮮やかさではない。
全体的に白っぽいのである。
それが、この色を余計に際立たせている。

白っぽいのは、
大気中の水分(キリ)の色である。
それが空気中で白色になって、
光を乱反射して広げている。
まるで白いキャンパスのように。
風景全体を包み込み、薄くぼかしているのである。


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