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index(索引)concept(概念)日誌2011-1005-3-2  市



春のデッサン、 B-2 <かすむ色>




春の、この薄いキリ(春かすみ)が、
風景全体を白くかすんで見せているのである。
青い天空と白い地平線の濃淡がぼやけて、
白い霞
(かすみ)が天空まで続いている。

天空の青と、地平線上の白との境界が消えている。
昼過ぎなっても、
上空の空が白いままのことも度々ある。
これはつまり、薄いキリ
(空気中の水分)によって、
世界全体が、白っぽく覆われているのである。

その中から、新しい出来立ての「色」、
木々の新芽や若葉、あるいは様々な花びらの色が、
新しい生命の証
(あかし)として浮かび上がって来る。
心地よい暖かさと、
瑞々
(みずみず)しく爽(さわ)やかな空気、
そして臭
(にお)い。
それらが直接、肌に触れる。


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