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――イメージをカタチに(・Image)――
index(索引)concept(概念)日誌2011-1005-6  市



春のデッサン、 ⑥ <春かすみ。>




色の変化と濃淡のない均一な色。
まるで、白い画用紙に均一な塗料で、
所々うすく描いたような、そんな色。

鮮やかであるが、濃い色ではない。
白色が混じった、少し薄い色。
そのほうが、周りによく溶け込み、
(は)えるのである。
それは、水分を含んだ白い空気(モヤ)が、景色の色を、
周りの空気に反射して、映し出しているのである。

鮮やかな、生きた実体というのが、
空気という、非常に薄い霧(キリ)の中から、
おぼろげに霞(かす)んで浮かび上がって来る。
生命のきざしは、主に植物の色とカタチとして、
あるいは、空気に触れる肌の感触として、
においとして伝わって来る。

イメージでも文字でもなく。
それ以前の、生きた「直感」として、
肉体がそれを記憶する。
まるで、風景自身が生きていて、
自分でそれを映し出して、問いかけてくるように。


 戻る。                  続く。





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