――イメージをカタチに(・Image)――
index(索引)<concept(概念)<日誌<2011-1201-2 市
フェルメールが描き出した「明るさ(ハイライト)」。 おぼろげに霞(カス)んで映し出された、朝の陽光の中。 「明るい」というのが、 情景の表面的な明るさから、心の中の、 心理的な明るさ・透明感を描き出している。。 この絵を見て、 みずみずしく、さわやかで、 気持ちのよい感じを受けるのは、 この、仄(ホノ)かな明るいハイライト部分である。 それは、心の心理状態を反映している。 何か、春の芽生えのような、ういういしさが迫ってくる。 場面全体に映し出された、 生きた鮮やかさというのが、 暖かい春の陽光によって、 浮かび上がってくる。 そうした場面は、日本列島の「春」である。 朝の湿気による、空気の霞んだ状態。 清楚で心地よい、空気の暖かさ。 周りの空気に対する、彼女の全くの無防備の状態。 それは、彼女を包む心地よい空気というものが、 しばらくずっと続くことを予知した態度である。 人々を包むこのような空気の状態とは、 日本列島では、春の気候を意味している。 もちろん、フェルメールの描いた、 オランダの気候は日本と異なるので、 「春」だとは限らない。 |