――イメージをカタチに(・Image)――
index(索引)<concept(概念)<日誌<2011-1201-3 市
フェルメールの描いたイメージの主体は、 やはり、明るいハイライトな部分ではないだろうか。 例えば、女の額を照らす陽光の部分。 女の晴れた精神であり、朝の場面である。 すがすがしい朝の陽気の中で、 日常の一瞬が描き出される。 生きいきした、非常にセクシーな場面である。 彼女の内部から、何か外へ向って、 フワフワと漂いながら、溢(アフ)れ出ている。 そんな感じである。 太陽の暖かい光が、それを浮かび上がらせて、 導き出したのである。いままで、 彼女の中で眠っていた何かが描き出されたのである。 だから、とてもセクシーなのである。 もしかすると、 この時代に関係するのかも知れない。 17世紀ヨーロッパ。 資源の枯渇・社会不安、 宗教裁判・魔女狩り、新大陸の発見……。 つまり大きな時代の転換期だったのである。 フェルメールの描き出す、 仄(ホノ)かで、ぼんやりした陽光は、 まだ見ぬ新時代への仄かな憧れであり、 予感だったのではないだろうか。 |