――イメージをカタチに(・Image)――
index(索引)<concept(概念)<日誌<2011-1201-4 市
仄かで、ぼんやりした陽光。 光が導くところの、外へ向う性向。 光というのが、うすい靄(モヤ)を通して描かれる。 モヤとは、つまり水蒸気(キリ)であって、 それは、朝の時間帯を意味している。 これから明るく、そして暖かくなってゆく、 一日の、始めの時間帯である。 溌剌(ハツラツ)とした、さわやかな瞬間である。 午後の夕方のような、 落着いた、調和的で沈んでゆくような、 はかなく、やるせない感じではない。 精神は内向しているのではなくて、 外へ向っている。 つまり、この画家が描いたのは、 そうした希望、のぞみ、願いなどといった、 新時代に対する、 仄(ホノ)かな予感ではないだろうか。 × × 主題は、光の明るさであって、 夜でも陰(カゲ)でもなくて、 まばゆい朝の陽光を描いている。 表(オモテ)へ、外へ向う生命の、 仄かな鼓動を描いている。 精神は、すでに外へ出ているのである。 (レンブラントとの違いはここにある) 外(ソト)とは、 新時代が導くところの、時代の精神である。 未(イマ)だ、ハッキリとは自覚されず、 それと意識はされていないが、 確実に訪れるであろう、 新しい時代の精神の息吹きである。 |