――イメージをカタチに(・Image)――
index(索引)<concept(概念)<ルネサンスへ<2013-1118-10
空全体にモヤがかかり、 おぼろげにかすんで見えて、 それが晴れてゆく。 モヤの中で白く隠れていた山々が、 クッキリと浮かんできて、その輪郭と、 色の鮮やかさといったものが現れてくる。 特に、日の当たる部分がそうだ。 空が晴れて、モヤが消えてゆく。 そんな初冬の日の外気は、気温の上昇が著しい。 それはまた、人間の気分というものに、 大きく影響してくる。 これが、日本の気候である。 初冬の日の、朝の時間といったものが、 不規則だということ。 反対に、これが仮に、毎日規則正しく、 晴れるとすると、何も気に病むことのない、 当たり前こととして、毎日が単調に過ぎてゆく。 不規則だからこそ、予測不能な、 きまぐれに左右されるからこそ、 それが感情の起伏とか、切換えとなって現れる。 これが日本の気候というものであって、 情緒ともなっている。 自分の力では、どうにもならない、 この天気に対して、祈(いの)ったり 呪ったり、あきらめたり。 要するに、うれしさ楽しさ、 さみしさ虚(むな)しさととして、感じられてくる。 それは、このような、 変転する自然に生きる者にとっての、 自己感情であり、宿命である。そして、 それはまた、自己を意識するキッカケでもある。 すべては、この不規則な偶然の世界に 生きる者にとっての宿命であって、 そして、自分の生と死が、 その気まぐれに支配されるという、 そうした、自分のあり方というのを、 強く意識せざるを得ない。 そしてその中で、生きてゆかねばならない。 |