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情緒。



何かに身をまかせた状態。
この何かとは、他者のことではない。
自分と、自分を包む空気のことである。
自分を包む、何か言い知れぬ、
説明のしようがない、空気のようなものである。
意識されることのない、
しかし、何かの絶対的な強制力といったものである。

自分個人の力では、どうにもならないのである。
持って生まれた、気質とか気性といったものの、
根源にあるものである。
その精神が持つ風土的な特性、
民族精神の特殊性といったものである。

情緒とは、
そうした、人間の意識以前にあるもの、
そうした、人間の精神の根底をなす感覚のあり方、
その状態を指している。
そうした、地理的・歴史的特性、
民族的特殊性といったものが、深く関与している。
そうした何かに包まれて、抱かれた状態である。

 
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                続く。



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