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自己の起源。



自分自身の感覚といったものが、
ゆるく遅延して、ほぐれて、
外(そと)の世界と一体になった、そうした状態。
そうした中にあっては、自分と他人の区別がない。
外界と接してはいるが、
何の区別も制約もない状態である。

意図的な自閉的状態とも異なる。
意図もせず、閉じこもってもいないのであるが、
結果として、外の世界を無視しているのである。
開いているのであるが、どうでもよいこととして、
それは、必要も興味もないこととして
自分と他者との区別ができないでいるのである。

このような中にあっては、
自分というのは意識されない。もうろうとしていて、
自他の境界線がぼやけて、あいまいなままである。
自己というのが、潜在意識の底で眠ったままで、
深い霧の中に隠れてしまっていて、
つかみようがないのである。

自分と他人の区別のないところに、
自分は認識されない。現実の自分を見つめる、
もう一人の自分という存在が必要なのであって、
自分というのが、現実的存在と、
観念的存在とに分裂する。
そうやって初めて、自分の中で他者が意識され、
自分と現実との間に境界線が引かれる。
そして、自分自身というのを意識し自覚する。
この意識する自己とは、
社会的・観念的存在としての自己。
現実の自分と対立する、
観念的存在としての自己である。
 

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