――イメージをカタチに(・Image)――
index(索引)<concept(概念)<ルネサンスへ<2013-1118-5
自分自身の感覚といったものが、 ゆるく遅延して、ほぐれて、 外(そと)の世界と一体になった、そうした状態。 そうした中にあっては、自分と他人の区別がない。 外界と接してはいるが、 何の区別も制約もない状態である。 意図的な自閉的状態とも異なる。 意図もせず、閉じこもってもいないのであるが、 結果として、外の世界を無視しているのである。 開いているのであるが、どうでもよいこととして、 それは、必要も興味もないこととして 自分と他者との区別ができないでいるのである。 このような中にあっては、 自分というのは意識されない。もうろうとしていて、 自他の境界線がぼやけて、あいまいなままである。 自己というのが、潜在意識の底で眠ったままで、 深い霧の中に隠れてしまっていて、 つかみようがないのである。 自分と他人の区別のないところに、 自分は認識されない。現実の自分を見つめる、 もう一人の自分という存在が必要なのであって、 自分というのが、現実的存在と、 観念的存在とに分裂する。 そうやって初めて、自分の中で他者が意識され、 自分と現実との間に境界線が引かれる。 そして、自分自身というのを意識し自覚する。 この意識する自己とは、 社会的・観念的存在としての自己。 現実の自分と対立する、 観念的存在としての自己である。 |