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時代」の起源



それは、
現実に生きている自己の肉体である。
この肉体を離れて、私は存在しない。
そして、これが私の現実なのである。

それは、自己というのが、この世に生まれた途端、
どうにもならない宿命として背負わされている、
地理的・歴史的・文化的現実という意味でのそれである。
人間は、そうした現実の世界を、
自己の肉体をもって、生きてゆくしかないのであって、
私たちは、そうした文明のシステムの、
一つの時代を生きているのである。

時代とは文明のことであって、
この文明の通して、人々はつながっている。
ということは、このつながり(キズナ)が、
断ち切れたところで、人間の歴史は存在しない。
人間という概念自体も成り立たない。
人間は社会的・歴史的存在なのである。

だから人間は、時代を超えることも、
時代の外にでることもできない。
なぜなら、その時点で、つながりが消えて、
人間という概念の外に出てしまうからである。
人間という概念自体が、人間の思考の産物なのである。
キズナ(絆)が消えて、自己意識が曖昧になって、
自分自身というのを、自覚したり意識することが、
出来なくなるからである。
 
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