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2013 冬の妄想。
2、 光の方向。




ボクから「だれ」というのが無くなって、
ボクは、だれに対しても、同じ人間となる。
そうやって、ボクと他人の区別が無くなって、
ボクの精神は、神々の世界へさ迷いだす。
精神は肉体から解放された。
この光の中に見える、カゲロウのような人影は、
そうした自己の幻影であり、
自分自身の精神そのものなのである。

だがしかし、光そのものも少し気がかりである。
太陽のように、光源が一つだけの場合、
すべてのものは、この光源の方向へと向かう。
一つしかないこの光源だけが、
自分を照らし、映し出してくれるからである。
自己の理由とか意味といったものは、
この光が照らし出す方向以外にないからである。

それはまた、闇からの脱出でもある。
暗いというのは、自分が見えず、見つけられず、
自分を見失ってしまうからである。
自分が誰で、何なのかもわからなくなって、
自分と他人との見分けも、
できなくなってしまうからである。

だから、闇から出て、光の方向へと目指すことになる。
そうするしかないのである。
だから、光が見えるということ自体が、
すでにある意味で、自分というのを確かめている。
その意味で、自己は意識されたのである。






 戻る。
                続く。



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