――イメージをカタチに(・Image)――
index(索引)concept(概念)ルネサンスへ2014-1123 宿命-4。

  4、感性。



もちろん、
そんなものが実際に見えるわけがない。
たしかにその通りで、それが見えるというのは、
肉体の感受性や感性(センス)、情感や、
揺れ動く心のありさまやリズム、
そして、それらが統合されてゆく、
精神の調和(シンフォニー)として感じられる、
ということである。自己の心の持ち方や、
情緒のあり方として感じられ、
見えてもくるという意味である。

それは、本能とか直感といった、
言い知れぬ衝動の世界を、なにかしら心の中で、
イメージとして表出している。
あるいは、映し出している、ということである。
それは、抑えられない自己の衝動であって、
音でも形でも、触れる感触でも、なんでもよい。
なんでもよいから、それが記憶として残るような、
何らかのカタチとして、
心のなかで映し出される必要があったのである。

もっと言えば、目の前のどこにでもあるような、
どうでもよいものが、たとえば、雲や山や地平線や、
それに猫や鳥や、あるいは、
風のそよぎや音のささやき等々。
そうした、どこにでもあるようなものが、
なにかのはずみや、偶然のかさなりで、
何かとっても大切なものに思えてくるのである。

それは、ものを透して精神の世界を見ているのである。
ものというカタチのなかにある、観念の世界、
ないし、合理と必然の世界を見ている。
自分の精神を支配しているのと同じものを、
もののなかに見ているのである。

 戻る。                      お終い。


index(索引)concept(概念)ルネサンスへ