(  市)ルネサンスへ<2015-0306 同一性、



3:変化の様式。

人間というのが、
自分自身を意識することのない世界なのである。
意識することも、自覚することも出来ないシステムである。
それは意識してはならないのである。意識すれば、
システムの破壊に向かうから。だからシステムから見ると、
それは許せない「悪」なのである。

そしてまた同時に、このシステムに反する「悪」こそが、
人間にとって本当に求められるものなのである。
怠惰と諦め、沈滞と化石化から、
抜け出す唯一の道なのである。
挑戦と自己変革こそが、人間の本性なのである。

つまり、社会システムというのは、
一見、形式的に過ぎないように見えながら、
けっしてそうではなく、本来、もっと柔軟で、
開放的なのである。そうならざるを得ないのである。
そうやって、システムないし体制が維持され、
継続し続けることができるのである。またそうやって、
社会が発展もし、前進もしてゆくのである。
形式という、表面のカラ(殻)を破壊して、
中から新しい原理と理由がカタチとなって、
現れてくるのである。

だから、文明のシステムは、外見だけのものでも、
カタチの定まった、形式だけのものでもない。
それはもっと本質的な、いわば、
様々に変化を繰り返し続ける、
定まった形式を持たない、
「変化の様式」とでもいったものなのである。

     戻る。             続く。


ルネサンスへ