(  市)ルネサンスへ<2015-0327、冬の空、



4:空気。

その他、空気の質もかなり違う。匂いとノイズ、かすみ方が違う。

夏のにおいとは、生物の有機物のにおいであって、
くさったような、なにかが充満しているようなにおいである。
遠くのの景色も、空気中のチリが多くて、少しノイズがまじる。
空気中のチリとにおいは、生物の活動の結果なのである。
生命の充満する世界から、遠くの景色を、
非常に薄い黄色の空気を透かして見ている。

なんともやりきれなく、どうにもならず、かといって、
じっとしていられない。感情的で、衝動的で、意志的な世界である。
つまり、精神は、外を向いている。

冬には、においがない。生命が活動を休んでいるからである。
無機質な世界であって、無機質なにおいである。
空気も非常に澄んでいる。ノイズがない。空気の色は、
非常に薄い青で、落ち着いた、沈潜するような、
理知的で、内向的な色である。


 戻る。             続く。


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