日本列島、6　個性。

日本は土地が狭く、波風を立てず、
協調と和をモットーとしていて、
ないし、そうせざるを得ず、個人というのが、
集団から出てくることがない。だから、
そうした、個の発見と表出の場所が、
物作りの世界となっているのである。
だからまた、ウソのない、よい製品ができるのである。
それは、売るためというよりも、自己のプライドと
ステータスの世界なのである。経済人というよりも、
生業であり職人なのである。そしてそれが、
自意識であり、ｱｲﾃﾞﾝﾃｨﾃｨｰ(存在理由)となっている。
または、それしか無いのである。

仮に、日本を捨てて外国で暮らすとしても、
日本という特殊な環境、日本的な情緒や気質、
常識といったものは、ﾕｰﾗｼｱ大陸では通用しないし、
全く異質なものなのである。それは今日でも同じである。

だからまた、外国で住むということ自体を、恐れる。
実際、生きて行けない。鎖国であり、閉鎖的であり、
大陸に対して内向的にならざるを得ないのである。
数千年を、ガラパゴス化した世界の中を生きてきたのである。

例えば、日本の考古学上、遊牧と奴隷の痕跡が見られない。
発掘されないのである。残酷と奴隷に結びつく遊牧の
痕跡が見つからない、ということも、非常に変わった日本の
特徴なのである。(日本の地形では遊牧は不可能である)。