(  市)ルネサンスへ<2015-0501-b ぼやける、



3:自然が誘導する印象。

以上は、人間が意識的に焦点距離を定めて見ている場合である。
そこに、なにかを求め、探し、願っているのである。
しかし、それと似たような見え方をする場合が、
人間の目の焦点と関係なく起こることがある。
光の性質と、大気中の空気が、それと似たような、
ぼやけ方をする場合があるのである。
逆光と順光を同時に見ている場合である。

この場合、人間の顔の正面はよく見えるが、
それ以外の部分、特に顔の外の輪郭部分がぼやける。
逆光によって光が周り込んで、
顔と、その外側境界部分(外側輪郭線)をぼかすのである。
同時に、順光によって、顔の表面がよく見えるのである。
外側の顔の輪郭線がぼんやりと消えていって、
外面が消えてしまい、内面を見ているように思えてくる。
自分から求めて、相手の特徴、性格や感じや、
内面的な情緒を見ているような気がしてくるのである。

これは、実際にカメラマンがよく使う手法で、
まったく、だれもかもが同じ手口をまねるものだから、
実にしらじらしく、無意味で空虚なカラッポの内面世界、
外面と内面の区別がない、なんやらわけのわからない、
カラッポの世界にしか見えないのであるが・・・。
しかし、そうした世界を作り出したのは、
それを欲した大衆であり、
それに答えたカメラマンなのである。

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