(  市)ルネサンスへ<2015-0501-b ぼやける、



4:内面の印象。

逆光によって、背景と、
特に人間の顔の外側輪郭といったものが、
白くぼやける。そして、そのなかから、
順光に照らしだされた、顔の表情だけが
くっきりと浮かんでくる。これは、精神の内面といったものが、
外の現実世界へ押し出されて、浮かび上がってきたのである。
だからそれは、人間の内面世界がそのまま、
映像として表現されたのである。

しかし、問題となるのは、それが、
つまり、自己の内面といったものが、
いつでもどこでも、それだけとして、ありのままの、
むきだしとなって現れている、というところにある。
つまり、あるのは、いつも内面だけであって、
外面といったものが見あたらない、ということなのである。

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