(  市)ルネサンスへ<2015-0501-b ぼやける、



5:ケジメなき内面。

内面と外面の境界がない。自己と他者の区別がない。
自分と他人の境界線を消失している。
自分と他人が入り乱れていっしょになっている。
自分自身というのが見つけられず、それがないがゆえに、
自分に対する責任も感じられない。
自分というのが、いつでもどこでも、わがまま、気まぐれ、
自分勝手というのが思いのままに、
まかり通ることのできる社会だということである。

いいかえると、外面なき内面というのは、妄想だけの、
実体なき、偽りの世界だということである。
だから、偽善であり、迷信なのである。現実というのが、
むなしい、ウソの世界のように思えてくるのである。
自分と他人との境界や区別、ケジメといったものがないのである。
自分と他人との区別のないところに、
本当の自分など存在しないのである。精神の内面など、
あり得ないというのが、実情に近いのである。

にもかかわらず、いつもだれかにせかされ、
追い立てられて、それを求めるものだから、
いつも自分自身といったものが抜け落ちている。
そして、なにかを得たと思っても、結局は、
いつも虚しさだけが残って、自分が何か、
正体不明の人間のように思えてくるのである。
自分がだれか、わからなくなるのである。

 戻る。                続く。


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