(  市)ルネサンスへ<2015-0522 様式、



2:客観的な現実


そうした文明の様式。ある時代、ある地域の、
民族独自の特殊化した文明の様式といったもの。
その構成要素、作動条件、行為と秩序のパターン。
そして、それが指向する方向性といったもの。それらはやはり、
内的必然性(=原理)から導き出されるものであって、
そして、それが、その「文明の様式」として理解され、
納得もされてくるのである。

地理的・気候的条件、そして、そこに生きる民族の、
起源と特質。暮らしの成り立ちや、生産の様式。
さらに、近隣諸国との関係、・・・等々。それら現実にある、
客観的な条件から、文明というシステムが生成され、
条件づけられ、方向づけられる。そしてその可能性と限界もまた、
明らかになる。それは内的な、必然の指向性である。

だから、自分が生きているこの現実の世界というのは、
文明というシステムが現実に存在する地平なのである。
それは、客観的な条件として、個々人の預かり知らぬこと、
個人では、どうにもならない客観的な現実なのである。
そこからまた、個人という存在も、社会とのつながりの中で、
説明され、理解もされてくる。

 戻る。                  続く。
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