( 市)ルネサンスへ<2015-0703-b 何を見ている?
3:とまどう個性。
例えば、地球自体が閉じている。 外に対して開いてはおらず、群れて集団化して閉じている。 そうした意味で、日本という島もまた閉じている。 中国も、ヨーロッパも、アメリカもまた閉じている。 空間的に閉じているだけではなく、 歴史も文化も閉じている。民族とか文明という、 概念自体がそうなのである。 たしかに地球上では、船もあるし、 飛行機もあるし、陸路だってある。だから、 それぞれの民族あるいは文明というのが、 まったく孤立しているとは到底いえない。 人間も動物も、空気や雲だって、 行ったり来たりしている。でもそんなことは、 実は、どうでもよいことだ。問題となっているのは、 文明という「原理」そのものなのである。文明を成り立たせ、 その原動力となって、それを秩序だて、規制し方向づけている、 その文明の「原理」というものが問題となっているのである。 いったい何をいいたいのか、単刀直入に言うと、 文明は、そしてその文明の「原理」は、一つではないということである。 様々な地域において、そしてまた、歴史という時間の流れの中で、 異なる文明の原理が、働いているということである。そして、錯綜し、 入り乱れて、交流したり、拒絶したりしている。そして、そうしたことが、 個性というもので、もともと異質な原理なのだ、ということである。 |