(  市)ルネサンスへ<2015-0724-a



2:隔離。


アイドルの女の顔から見えてくるのは、そうした、
ケジメのない、あいまいでぼんやりした世界なのである。
なにもかもがボヤけてかすんだ、
まるで霧の中の世界なのである。
なにひとつ、確かなことが見えないのである。
だれもかもが、自分の考えを持たない世界では、
それは仕方のないことなのである。

欲しいものは、たいてい何でも手に入る。
悩みがあれば、だれかが聞いてくれる。
困ったときは、周りのものが、だれかれみさかいなく、
だれもが、なんとか助けてくれる。

食べ物がなくて死ぬなどということは、誰も思わない。
そんなことはフツー、絶対にあり得ないことと思い込んでいる。
なにもかもが誤解と妄想と、迷信だけで成り立っている。
日本は、閉じた島国なのである。そうした、
空想と迷信が成り立つ世界なのである。
現実世界から閉じて隔離された世界なのである。

アイドルに見る若い女の、あのあどけない、
年齢の割に、あまりにおさない顔の表情には、
こうした「平和ボケ日本」が生み出した、
時代のあだ花が映しだされている。

 戻る。              続く。
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