(  市)ルネサンスへ<2015-0918 感じ方、



6:前提。


たのしさ、手がるさ、気楽さを求めて、テレビや新聞の「偉い人」の示すままに、自分を放棄してきた結果なのである。それは自分自身で、自分の心の中で、自分が見つけるしかないものだったのである。

ふだん何げなく暮らしていて、無意識の世界に生きている常識やシキタリ、習慣といったもの。あるいは、何かの作法や仕草(シグサ)、顔の表情といった感情表現にいたるまで、総じて人間の生き方、暮らし方の中には、その時代、その社会の原理といったものが暗に示されていて、そこでの個人と社会が向かうべき方向性、条件や制約、そして指向するものが暗に示されている。当然である。それが、その社会が拠って立つ地平というものであり、理由であり、目指すものだからである。前提であり条件だからである。

習慣やしぐさ、あるいは感情などの中に「暗に示されているもの」とは、その社会にとっての方向性であり、条件なのである。従ってそれは、個人にとってみれば、知らなければならないこと、知ってはならないこと。見なければならないもの、見てはならないもの。見えないもの、見えていないもの、見ていないもの。・・・などといったことが、あらかじめ、それとなく設定され仕組まれている、ということなのである。

そしてまさに、こうしたことがシステムの本質であり、その原理の表明であり、秩序というものであり、社会の「納まり」なのである。社会が安定した状態なのである。

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