(  市)ルネサンスへ<2015-1120 「赤と白」



5:基本原理。


琉球が18世紀、アイヌが19世紀に吸収。
朝鮮半島と台湾島が20世紀に吸収され、そして再び分離される。
それでも、精神的には単一民族であり続けたし、
同じ民族が、同じ場所で変わることなく、ずっと同じように生きてきたのである。

海という、巨大な外堀に囲まれて、日本島が孤立し隔離される。
大陸に対峙するものとして、自己を形成してゆく。
文化というのが、島の外に対して孤立・隔絶し、
島の内部においては、様々にかき混ぜられ、それが繰り返されて、
均質に同化されてゆく。
このような状態が有史以来ずっと続いてきたのである。
つまり、何が言いたいのかというと、「言葉など不要」だということである。

面と向かって、どうのこうの言わなくても、顔を見ただけで、
お互いが何を考えているのか、すぐにわかってしまうのである。
例え、初対面であってもそうなのである。
そうしたことがごく当たり前の社会なのである。
それが前提として成り立っている社会なのである。
それは、情緒的気質というか、
雰囲気というか、その場の「空気」というものである。

つまり、「空気」という名の暗黙のオキテが、
日本という社会を支配しているのである。
これはきわめて日本的な公然の秘密であって、暗黙の了解、
もの言わぬ絶対的な強制力として社会を支配し、つらぬいている。
みんなのためとか、ケジメとか、オキテとか、いさぎよさとも言われている。

そうしたことが、その場、その場面の空気に凝縮されていて、その中を、
あらかじめ定められた規則やシキタリに従って生きているだけなのである。
ことばとか理屈などといった、形式的で表面的なことは、二の次なのである。
まさしく、これが日本の原理、「和の精神」といったものなのである。
日本のすべてを動かしている基本原理なのである。

 戻る。                 続く。

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