(  市)ルネサンスへ<2015-1120 「赤と白」



9:信仰。


それは、日本人の、無意識の内面の、キリのかなたから浮かんでくる、
絶対的な意志の強制、いまだ自覚されないでいる絶対的な信仰、
心の拠り所といったものである。
それが、赤という目に見える「色」として表現されているのである。それは、
絶対としての「何か」の、神聖不可侵な境界であり、区切り線であり、
標識なのである。それは絶対的な意志の存在であり、
つまりそれは、宗教としての信仰以外にあり得ないのである。

ただ日本においてはそれが、意識もされず、自覚されることのないまま、
思考とか論理としてではなく、ただたんに、どこまでも漠然とした、
空気のような情緒として、情感とか、
目に見える仕草とか立居振舞いや作法、
匂いや、あるいはみんなと一緒にいる時のことばのイントネーションなどに
、それとなく表現されているのである。まるで「空気」とか、
その場、その場面の「雰囲気」とでも言うしかないものとなっている。

なにかにふんわりとつつまれた気持ちのあり方のようなものとして、
情緒的な雰囲気として日本人を支配しているのである。
無意識のうちに、まるで、先天的な本能のように
人々を支配しているのである。
つまりそれは、日本という風土が生み出した、
情緒的特性とでもいったものなのである。それが暮らしと考え方、
感覚や、さらに社会の根底を支えているのである。

 戻る。                 続く。

<ルネサンスへ