(  市)ルネサンスへ<2015-1204 見えるもの。



4:時間。


カタチとその質、形式と内容、外面と内面、
・・・などといった見方からすると、もう一つとても大事なことがある。
それは、時間という考え方である。
それ固有の必然性とか理由といったものは、
時間の変化の中でしか見えてこないからである。

同じものに見えても、異なる動きをする場合があって、
それは、時間的に続けて見ないとわからないのである。
それが「前」なのか、「後ろ」なのか。あるいは、
「始まり」なのか、「終わり」なのかというのは、
時間の方向性のなかで始めてわかってくることなのである。

もしも、それぞれがたがいに離れている同じカタチのものが、
同じ条件の下で、異なる動きをしているとすれば、それは、
カタチは同じでも、違う性質をもった別のものである。
すがたカタチは同じものであっても、全然、別のものである。なぜなら、
それぞれが異質な原理と秩序、理由の下に存在しているからである。
そうしたことがわかるのは、やはり、
時間的に順を追って初めて気づくことなのである。

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