(  市)ルネサンスへ<2015-1204 見えるもの。



6:意図と意味。


もしも、なにかを意図して見ている場合、
それは意識が先行していて、それを印象する特徴的な
カタチや色を、まず見ようとする。
それはすでに自分の記憶の中にあるもので、
それを手がかりに、なにかをさがし、見つけようとしているのである。
記憶の世界が優先している。

反対に、なにも意図せずに見ている場合、それは、
無意識の感覚が先行していて、
色やカタチや特徴などといったものは、
どうでもよいものとして、たんに表面だけを見ている。
内実とか質的な違いが問われることがない。むしろ、
外面的、表面的なものにとどまっている。それで十分であって、
それ以上のことは求められない。なにげなしに見ているのである。

それが何かの意味を持つのは、
それを見ている人が何かを意図しているか、
意識している場合であって、そうした関係で、
ものに意味が生まれてくる。そしてまた、
自分にとっての目的とか理由といったものが生まれてくる。
思い込み、偏見、見当違いといった、
人間の気まぐれや思い込みが入ってくる。

 戻る。                 続く。

<ルネサンスへ