(  市)ルネサンスへ<2015-1204 見えるもの。



7:偏見。


見たものを見ていないと思い込んだり、
無いものを有るとむりに思い込んだり、
「そうでなければならない」という妄想が確信になったり、
ただのものかげが、人のシルエットに見えてきたりもする。

思い込みの「見え方」というものが、
人間の考え方を支配していって、
限りなく幻覚に近いものになってゆく。
そしてそれは意識のなかで、迷信となって固まってゆく。
シキタリとか習慣、常識といったものがそうである。
・・・などと考えるは、まったくの誤解であり、
それこそが偏見というものである。

なぜなら、偏見というのは、もっと社会的で集団的で、
偏見自体が、それぞれにとっての利害関係に
基づいているからである。立場や居場所、
損得や妥算の計算がその根源にあるからである。
そうした、利害の関係が偏見を作り出しているのである。
それは本人とってみれば、まさに正義なのである。
そしてまた必然性であり、必要な存在の条件なのである。

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