(  市)<ルネサンスへ<2015-1211 続、生物的映像。



3:感覚のリズム。


もっとわかりやすく言うと、色彩と明暗の豊かな諧調(範囲と深度)、
およびその調和のリズムがそうである。たとえば、
実際にみているものが、なんの意味もないものであっても、
諧調といったものが豊かにあふれていて、なにかの模様をなしていると、
それだけで、なぜか、なんとなく、わけも理由もないのに、
たのしく、美しく感じられてくるのである。
なぜ、そう思えてくるのかは、自分でも理解できない感情なのである。
それはもしかすると、自分の祖先の記憶の世界にのみ存在する、
象徴の世界を見ているのかも知れない。
祖先の記憶が、自分自身の肉体の生理作用の仕方として、
そのリズムとして保存されていたのである。

しかし、そうしたことは、見ることだけでなく、聞くこと、触れること
などについても、同じことがいえるのである。

また、少し異なるが、それは身体の動きについても、
よく似たことがいえるのである。それは、
たとえば水泳などの全身運動が、身体に気持ち良いのと同じであり、
また、そうした動作というのが、それを見る者にとっても美しく
感じられる、というのがそれである。それは肉体の筋肉の生理作用の
バランスであり、調和なのであって、それが姿や形、動きやリズム
となって現れていて、それが見る者にとっても、
美しく気持ちの良いものとして感じてしまうのである。

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