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2:思い込み。


もちろん、そうでない場合もある。こうした場合は、いくら焦点距離を
合わせても、ピントは合わず、ものは、ボヤケたままでしか見えない。
これは人間の感覚器官の限界というもので、視力というのがそれで、
個人的な客観的・物理的事情からそうなのであって、
だから考察の対象にはならない。しかし実際には、
焦点距離が合っていてボヤケてもいないのに、
ハッキリと見えない場合がある。主観的映像がそれである。

それは、見えないというよりも、正確にいうと見ていない、
見ようともしない、興味がない、見る必要がない。さらに言えば、
見てはならない、見えていてもならない、といった場合である。
そうした場合は、たしかにピントは合っているのであるが、
現実には何も見えない、または、見ていないと信じていて、
そう思い込んでいる。

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