(  市)<ルネサンスへ<2016-0226 かすみの風景



2:水蒸気。


川辺や田んぼのぬかるみのあたりでは、地表面の水と立ち昇る靄
(モヤ)との因果関係といったものが、はっきりと見てとれる。表面の
湿気がそのまま水蒸気となって、立ち昇っている。
それが風に流されて、山すそから谷間を通って、上空へと消えて
行っている。これはやはり「黄砂」などではない。
春の、立ち昇る靄(モヤ)で、世界がかすんで見えているのである。

だから、色は黄砂の、非常に薄い黄色などとは、とうてい言えない。
むしろ、青を含んだ白色なのである。そしてさらに、大気の温度が
上昇する昼前の10時頃には、モヤはほとんどなくなって、
山々や川辺、野原などから立ち昇る、湯気とか霞(カス)みは、
もうほとんど消えているのである。にもかかわらず、もちろん、空全体、
風景全体として見れば、やはり、かすんで見えるのであるが・・・。

だから、これは春霞みなのであって、黄砂とは言えない。
もちろん、その影響は多分にあるのかも知れないが、やはり、
地表面から上昇した水蒸気による、カスミであるとしか言いようが
ないのである。

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