(  市)ルネサンスへ<2016-0318 指向性、



~2:二者択一。        


色はない。あるのは白と黒の違いだけである。
YesかNo、有るのか無いのか、見えるか見えないのか?
だけの、二者択一の世界である。
目に見えるものの個性といったものが失われている。
その中身と実体といったものが消えている。
光と陰の濃淡、そして色彩といったものが無いのである。

だから、何かを見ているということはわかるのであるが、
はたしてそれが何なのか、というのがわからないのである。
そしてそれ以前に、それは形というのを持たないでいるのである。
境界線のケジメのない、模様だけの世界である。

反対にいうと、それが何なのか自分でもわからないから、
色も形も持ち得ないとも言える。それは目に見える外の世界を
見ているのではなくて、自分で、自分の目の中を見ているのである。
だから何も見えるはずがないし、もし見えたとしても夢か幻覚でしか
ないのである。だからそれは、カタチも色もハッキリしないのである。
にもかかわらず、明暗の違いだけはハッキリと識別できる。やはり
なにかを見ている。はたして何を見ているのだろう?

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