(  市)ルネサンスへ<2016-0318 指向性、



~3:隠れていたもの。        


夢の中では、まずはじめに、なにかそれの特徴ないし象徴的な
印象のようなものが見えて来て、そこから、夢の物語といったものが
進行してゆく。ということは、夢を見る以前になにか、それとなく意図
され、無意識のうちに関心とか興味として、心の中で浮かんで来て
いるのである。ちょうど何も意識せずにいるのに、心という「水たまり」の
表面に、ぽっかりと気泡が浮かんでくるようなものである。

それでもそれが、なにかを予感させるものが、たしかにある。
のぞみも願いもしないのに、それが何かの避けられない必然として、
宿命のように思えてくるのである。まるで、あらかじめ予定されていた、
本能的な衝動のように思えてくるのである。

なぜならそれは、僕の心の中にある、なにかのいたたまれない、
かくし続けることも、抑え続けることもできない、得体の知れない衝動と
いったものが、意識されないままに、なにかのイメージとして夢のなかに
出て来ているのである。だから、やはりそうした意味では何かの因縁と
いうか、必然というか、関連性といったものを感じてしまうのである。
それは、もともと、僕の心の中の奥底に隠れていたものが、
イメージというカタチで、夢の世界に映し出されているのである。

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